「楽しい?」と聞いたら、“うんうん”と頷いて

「楽しい?」と聞いたら、“うんうん”と頷いて

M.K さん( 30代 )

3 歳 (男の子)

疾病・特性:未診断

緊急帝王切開にて産まれたとき、産院の周りは桜が満開でした。
高齢出産の不安もありましたが、子供は元気に生まれてきてくれました。

ただ母であるわたしのダメージが大きく、産後はあまり動けず家族に頼りきりになった子育てが始まりました。

母乳が出なかったこともあり、子供の世話にわたしの出番はほとんどありませんでした。子供が泣いていてもすぐに動けず、子供が寝ている間は休み、起きている時は家族に任せてしまっていました。

ですが子供の祖母であるわたしの母が体調を崩し、日中は子供と共に病院や散歩に出かけることが増え、家にいる時も関わる時間が多くなっていきました。

6か月健診の結果、発達の遅れがあり支援ルームに通う事が決まりました。

寝返りをしたのが遅く、ずりばいややはいはいをしないのが問題でした。 危ないから、楽だからと、子供は1日のほとんどをベビーベッドの上で過ごしていました。自由に動き回る機会をあまり作ってあげなかったことを悔やみました。支援ルームでは子供の動きを見て、遊びながら出来る体の動かし方などを教えてもらいました。そのひと月後にはずりばいであちこちを動き回るようになり、あっという間につたい歩きを始めました。

1歳6か月健診の時には、言葉の遅れを指摘されました。単語や意味のある言葉はまだ出ず、赤ちゃんのように声を発するだけでした。

その後もこども発達支援センターを利用し、発達支援室ほっぷを紹介さ れました。月2回の教室に子供は喜んで通い、たくさんのことを覚えていきました。家とは違う子供の姿に驚き、成長を嬉しく思いました。

ですが同時に、同じ教室に通う親子を見て「どうしてうちの子供はまだ言葉が出ないのか」と悩むことも多かったです。わたし自身話すのが苦手で、そのせいか人と関わらせる機会が少なかったのではないか、あまり声をかけてあげられなかったのではないかと悔やみました。

おしゃべりをしている親子を見て、だけどうちの子供はあーあーと何かを伝えてくるだけ。 ちゃんと分かってあげられないことも多く、癇癪もありました。

主治医の先生からは検査を勧められました。脳波やCT、血液検査など、 いくつもの検査をしましたが、言葉の遅れの原因となる異常はありません でした。紹介された群馬整肢療護園でも「特に異常なし」とのことで、今も発声を促すト レーニングに通っています。

発達支援施設の事を知ったのは、ほっぷの卒業が近づいた頃でした。 子供は春には3歳になりますが、まだきちんとした発語はありません。 3歳になったら突然話しはじめるんじゃないか、そんな甘い期待もありましたが、先はあまり見えませんでした。

そんな時、こども発達支援センターから療育の事を教えてもらいました。相談事業所に登録し、いくつかの支援施設を見学に行きました。子供ひ とりで通えるのだろうか、母子通園の方がいいのではないか、いくつもの葛藤がありましたが、相談員さんから勧められたちゃいるどえっぐに通う事を決めました。施設内の雰囲気、要望を聞いてくれること、そして何よりも、まだ人見知りのあった子供が進んで先生方に話しかけに行ったのが決め手でした。

初めは数時間からのスタートでした。嫌がって泣いてしまうこともありまし た。でも徐々に慣れていき、今では楽しく通っています。時々「まだおうち で遊びたい」と泣くこともありますが、「ちゃいるどえっぐは楽しい?」とたずねると、“うんうん”と頷いて答えてくれるようになりました。子供が楽しく通っているのを見ると、選んでよかったと心から思います。

通う中で覚えたことはいくつもあります。“いただきます”や“ごちそうさま” は、家族で手を合わせて行うようになりました。「今日は何をしたの?」と 聞くと、身振り手振りで一生懸命教えてくれます。他にも突然思いもよらないことをはじめることがあり、ビックリしたり笑ったり、毎日成長を感じています。

M.Kさんからのメッセージ:

子供にはまだ診断名がついていません。成長することで新たな障害が出てくるかもしれません。
4歳になる春からは、併用して幼稚園にも通うことが決まりました。 正直不安は大きいです。定型発達の子供たちとちゃんとやっていけるのか 仲間に入れてもらえるだろうかと、心配は尽きません。

それでも、今までたくさんの方々に助けていただきました。子供の良いところをみつけてくれて認めてくれて、親子共に支えられながら成長してきました。
不安もありますが、今後も支援の手を借りながら、家族笑い合えるよう、楽しみながらゆっくりと歩いて行きたいです。
優しい風

NPO法人つなぐ